花はどこへいった

2010年05月29日

長い道のりを歩く日だった。
夕日のレンガ通り。
変わりゆく世界に怯えながら、優しい地球の色を探していた。

百日ぜきが流行している。
かつては、子供の病気と見られていた。
42歳の時、体に錆が広がった。

それから老衰で、人はゆっくり死んで逝く。
状況を理解していようが、いまいが、時間は前にだけ進む。
そして、個人の時間は、約束でもされていたように止まる。
人生という個人の経緯を支払って。
「チェックアウト。」
さざ波がおこって、白鳥が飛び立った。

ジオパークでの出来事だった。
「波の化石は、地球の記憶だって。」と、ルーシーが囁いた。
ダム湖から引き揚げられた遺体に向かって、軽く手を合わせた。
「人は死者に自然な敬意をはらうものだ。」

「地球の寿命はあと何歳?」
「人間が作った理屈に自然を合わせるなんて理解できない。」
いつも飢餓の危険と背中合わせに暮らしながら、自然とのつながりで生きて来られた。

60歳を超えると、偶然が続かないことがわかる。
「ぼくも何に対して怒っていたのか?」だんだん分からなくなってきた。
プラントハンターから復員後、赤と呼ばれた。




Posted by グリーンワーク at 10:18│Comments(0)
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