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Posted by 滋賀咲くブログ at

花はどこへいった

2010年01月30日

「お母さん、ぼくだよ。」
赤ちゃんにお腹をノックされると、けっこう痛かった。
息子から、「産まれるよ。」って伝えられた。

北国の少女が大人になったのは、ちょっと前のことさ。
まだ、この港が賑わっていた頃のことさ。
ほんの少しばかり遠出したくなったんだ。

「水兵さん、わたしのいい人になってよ。」
ノアの方舟は、港を出って行った。

冬の日曜日に、母さんも出て行った。
タバコの匂いと、口紅の香りを思い出さずにはいられなかった。

マッチの火でも、
街灯の灯りでも、
月でも、太陽でもなく、
また、ひとつ星が消えていく。

母は美意識の高い人だった。
フラワーピープルだった。



Posted by グリーンワーク at 20:27 Comments( 0 )