温暖化時計

2009年09月21日

「ピアノを弾いて。」

温暖化時計ぼくは、童謡の『蝶々』を弾いた。
原曲はドイツの雪遊びの歌だ。
再び、雪の降る冬が訪れる日が来ることを願って。

「姉は、ジュリアードにいたの。私は、MBA。環境経済、意外でしょう。」
ドアの外には、キャノンの落書き。
「私は、キャノンよ。」
いのちは、ドアの外に隠語で書かれた欲望に似ている。

「ノアの方舟に乗りなさい。」
手渡された地図には、ノバフタと書かれてあった。

「姉は、回光が見えるの。」
「エコー?」
「星が、あなたを『新しい町』に導いてくれるわ。」
「あなたも、行かないの?」
「コンクリートより、レンガや大理石が好き。」
そう言うと、彼女は、留学時代に覚えた古いアメリカの民謡『フレートトレン』を唄ってくれた。
2フィンガーのような、3フィンガーのギターで。
「原風景よ。」

そして、ぼくは占い師に「さようなら。」と言った。
ドアを閉め、壁に別れを告げて、ダムハウスを出た。
最初の光は、朝日だった。



Posted by グリーンワーク at 10:35│Comments(0)
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