ナラ枯れ滋賀全域に広がる

2010年12月23日

滋賀県森林センターで開催された平成22年度第3回森林センター林業技術研修に野洲市自然山部会のメンバーとして参加してきました。
今回のテーマはナラ枯れです。

昭和50年代から、湖北から被害が始まったナラ(ドングリの木)枯れがついに今年滋賀全域に広がりました。

ナラ枯れを有名にした芦生の原生林では、ドングリの木の7割がナラ枯れで枯死しました。

ナラ枯れ流行を引き起こす要因は、酸性雨? 温暖化?かと言われて来ましたが、里山の放置や、公園型管理にあるという結論になって来ました。

ナラ枯れを引き起こすナラ菌は、共生関係にあるカシノナガキクイムシによってドングリの木に持ち込まれます。
ナラ菌も、カシノナガキクイムシも、元々どこにでもいたと言われています。
燃料革命で、里山での柴刈りや炭焼きが消えて、久しい。
県内一斉にナラ枯れが発生していても不思議ではないのに、
なぜ、湖北から半世紀をかけて、滋賀県全域に拡大して来たのでしょうか?
不明です。

里山が利用されていたころは、病気になった木から、絶えず木が切られて来ので、若い木ばかりでした。

カシノナガキクイムシは、食べる部分が少ない細い(=若い)木には寄生しません。
吉川湖岸緑地のような公園型管理では、大木を中心に残しています。
大木は幹が太いだけでなく、高齢で樹勢が弱く再生力が弱いためナラ枯れで被害を受けやすいのです。

ナラ枯れの木を切り倒したら、チップ化するか、燃やさないと、カシノナガキクイムシはナラ菌を持って別の木に移動します。
燃料革命で、割木として燃やす機会はなくなりました。

江戸時代には割木にしやすい外来種のクヌギを盛んに植樹してきました。
今も、公園型管理の吉川湖岸緑地では、竹林伐採後、クヌギを植樹しています。



Posted by グリーンワーク at 22:28│Comments(0)
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