ソフトエネルギーパス

2011年04月12日

原子力保安院は、「広範囲に人の健康に被害を及ぼす放射線を排出している」ことを理由に、福島原子力災害をレベル5からレベル7に引き上げた。

昨日まで、原子力発電は一番コストが安い発電と言われて来たが、見直しが必至になってきた。

コストは経済の問題だ。
コストは競争力を削ぐからだ。
だから、経済は電力をコストとして考える。
経済が考えるコストには人の幸福は含まれない。

電力政策に必要な論点は、理念と行政と制度だ。

スリーマイル原発事故が発生する前年にカリフォルニア州はサクラメントの原発を止めることを決め、PURPA法を定めた。

PURPA法は小規模発電を自由化し、既存の電力会社にたいして、適格発電所が作り出す電力を、彼らのオファーに(売買の申し出)に対応して買い取るよう義務づけた。そのさいの買電価格は“アボイデッド・コスト”によると定めている。アボイデッド・コスト、すなわち「避けられたコスト」とは次のような意味だ。

かりに、新しい適格発電所がなければ、既存の電力会社は従来どおりの方法によって火力(石炭または石油)、あるいは原子力発電所を熱源とした発電所を新設しなければならないだろう。とうぜん、相応のコストがかかる。しかし、現実に適格発電所があるおかげで、彼らからの買電により、そのコスト分は免れる事ができた。免れたコスト分、すなわち“アボイデッド・コスト”は適格発電所からの買電にあてるべきだ、という考え方なのである。自社の発電コスト以下で買電してはならないいうことである(じっさいの買電価格ははるかに高い水準に設定された)。

この考えを制度化する事によって何が可能になっただろうか。いうまでもない、化石燃料、再生不可能エネルギーの消費を回避し、再生可能エネルギーへと熱源の転換を促進することができた。

そして、消費者も原子力の汚れたエネルギーでなく、クリーンなエネルギーを買う選択ができる。

ソフトエネルギーパス
物理学者A.ロビンスが提唱した エネルギー戦略。原子力と石炭の増大を目指す従来の硬直的路線(ハードエネルギー・ パス)に対し、効率の向上と自然エネルギーの利用を中心とする柔軟な戦略。





Posted by グリーンワーク at 23:11│Comments(0)
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