吉川湖岸緑地のターニングポイントと問題点

2011年05月22日

山門シンポジュウムと吉川湖岸緑地のターニングポイントと問題点

山門シンポジュウムで、吉川湖岸緑地における問題点を長浜の方々と共有してはとのご提案をいただきありがとうございます。

問題を内部に留めず、開示し、過去を批判をするのでなく、歴史的に評価していくことが、前向きに考えていくことだと思います。


吉川湖岸緑地でのターニングポイントと問題点を整理します。

吉川湖岸緑地には、大きなターニングポイントが2度ありました。

1度目は3年前、
公園開発が県都市公園課から、県都市計画課への移管し、
指定管理者が公園緑地センターから、近江鉄道ゆうグループに代わった時。
コンセプトが「ふるさとの自然」をテーマにした竹林公園から、都市公園へ変更。
民間管理への移行と、公園管理の簡素化、造園化がすすめられた。

グリーンワークは、
植生観察区域で、竹林伐開で広場化され、草刈り圧力で消える植生を残し、
移植地で、都市公園化の造成工事で、繁殖地が消える植物の移植を試みています。

問題点
①植物の移植は可能ですが、
 アナグマや、オオクワガタが消失した例のとおり、動物への対応はできていません。
②限られた予算内での保全しか指定管理者が保全できない。
  あるいは、商業ベースでしか、民間指定管理者は行動できない。

2度目は2年前
公園利用の多様化で、竹炭焼きの主宰者が、本業の造園で切りだしたコナラを、
公園関係者の反対を押し切って炭焼き広場に割木や広場材として持ち込んだ。
結果、昨年来、吉川湖岸緑地で、ナラ枯れが発生。
ナラ枯れ菌を伝播するカシノナガキクイムシは飛翔力がせいぜい1-2km程度(県森林センター)。
本来、吉川湖岸緑地のように周囲から孤絶した場所には、侵入しえなかった。

問題点
①公園利用者のモラルが問われる。
 切って植える造園的発想だけでは、本来の自然を損なう。

②現在、被害は炭焼き広場周辺に植栽されたクヌギ類に発生。
 今後、在来種のナラカシワの感染が心配。
 対策は、感染した木を切り、飛子生えで再生させることのみ。
 飛子生え再生は、植栽のクヌギのように若い木で可能だが、
 在来種のナラカシワは古株で、再生力が弱い。

グリーンワークの活動
吉川湖岸緑地は、野洲川北流廃川後の40年間放置されて来た。
その間、中主町は耕地整理・土地改良で、本来の自然を失ったが、
吉川湖岸緑地はタイムカプセルとして自然を残してきた。

しかし、2度のターニングポイントは、吉川湖岸緑地を造園化させる結果となった。
グリーンワークは、市民が知らない間に、ふるさとの自然が消失することを回避する活動をして来ました。

パークサポータと言うべきですが、パークサポータの中には指定管理者の下請けの造園屋さんグループも含まれ、
彼らの言葉を借りれば「ビジネス」として、わたしたちパークサポータとは一線を画しているため、目的の違いから、グリーンワークという表現を使いました。

もちろん、経済性と、対価に相当した公園管理も必要です。
経済活動を否定するものではありません。




Posted by グリーンワーク at 05:54│Comments(0)
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