温暖化時計

2009年08月08日

ホ・ホと一声づつ区切って鳴いている。
アオバズクだ。
5月の青葉の頃に、南から渡って来るフクロウの仲間だ。
この森では、最近、越冬している個体もいると、エコツアーガイドのラッキーが説明して、
「さあ、足もとに注意して、ゆっくりと歩きましょう。」と、続けた。

夜の公園を歩く、ナイトパークが始まった。
「フクロウは主にネズミを食べますが、アオバズクはガなどの昆虫を食べます。だから、どちらも夜行性です。」
「フクロウは、いないの?」と、ツアー客が尋ねた。
「いますよ。ゴロスケホッホと鳴きます。昼間ヒバリは甲高い声で鳴きますが、夜は静かなので、フクロウの仲間は低い声で鳴きます。」
「獲物に気付かれないようにですか?」
「そうです。それでも、遠くまで聞こえます。」

夜の森は、一見静寂だが、生き物で、溢れている。
例えば、アリは土の温度が高いとあまり行動しないが、土の温度が下がると活発に活動を始める。
生き物にとって、昼夜の関係は、人間とはかなり違うケースが多い。
「カには注意してください。」と言って、ラッキーは灯りを消した。
「刺されやすい人っているの?」
「刺されやすい人というより、カは、人間の体温以外に、皮膚から出る老廃物の酸の臭いや、二酸化炭素にも反応します。」
「体から、二酸化炭素が出ているの?」
「出ています。」
人間の皮膚からも、二酸化炭素を出している。
蚊の触角のセンサーはその濃度の濃淡も見逃さない。

「カは、メスしか血を吸いません。知っていますか?」
「どうして?」
「血液は、タンパク質が豊富です。メスはお腹の卵に必要だからです。」

「すべてのものに、意味があり、共生し、循環しています。」
例えば、地球では、地下のマグマが火山から噴き出して溶岩となるが、やがて、プレートの沈み込みとともに溶岩は地下へ戻って行く、このことを循環と呼んでいる。
ちなみに、この時、ストレスで、地下の岩が割れるのが、地震だ。
割れる岩の大きさをマグネチュードで表している。
すべてのものが、影響し合い、共生している。

「あの、わたしの家のポストにシジュウカラが巣を作って、卵を産みましたが、なくなりました。」
子供のころの話を始めたのは、ハルミだった。



Posted by グリーンワーク at 20:40│Comments(0)
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