温暖化時計

2009年08月24日

ダムハウスは、終夜営業でブルーズを売る店だ。
夜は暗くて、地下鉄の乗り場も探せないほどだったから、終夜営業が売りものになった。

灯火管制された町の中で、ダムハウスは石炭より熱いストレートブルーズと安い酒を売っていた。
ストレートブルーズは、喉が渇いた時のコップ一杯の水みたいな添加物のない音楽だ。

「キャノンに出会ったことはあるかい?」
「ない。」
グリーンワークが、2009年以来、キャノンとの対話を続けていることは知っていた。
「キャノンが変われば、日本も変わる。」とグリーンワーカは言っていた。

安い酒と、タフな音が身体を巡って行く。
就職活動で、ガーデンエタノールコミュニティを訪れてから、1年の間に様々な出来事があった。

「占い師のテーブルに行ってみないか?」と、エコーが言った。

道案内をしてくれた老人の姿はすでになく、
「バーカ」という木霊だけが、耳元に残っている。


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Posted by グリーンワーク at 20:13│Comments(0)近未来小説
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