グリーンワーク

『精霊は、吸い込まれそうな深い森に住んでいる。』と、村人は信じていた。
『精霊が隠している金貨を見つければ、一生幸せに暮らせる。』と、（旅人から精霊の話を聞いた）町の人は考えるようになった。

占い師は、壁越しに、そう語りかけた。

人間活動（経済活動はその一部だが）とは、どちらだろうか？

命を感じる場所、耳の上にある脳の部位が、弱くなっている。

昼と夜、月の満ち欠け、から時間を知るために生まれた数字が、富を管理する便利な道具になってから、食べ物や、森の広さで、個体差が決まった時代は終わり、命はどこにあるのか、人は考えなくなった。

指で数える10進や20進から、月の満ち欠けの12進、そして、最小公倍数の60進まで、人間は自然の神秘を感じて時間を刻んで来た。

２進から、時間の密度が変わり、6割の人が時間を無駄に使っていると考え、自殺の悩みを持ち、閉そく感を感じ、うつむいていると、頸動脈に病気が起こることが知られている。

異常時には、心理は真理とは逆の方向に向かう。
逃げ遅れる人がいる。
まだ、大丈夫だと。

「ぼくたちの同朋に希望を与えてください。」

ぼくは、キャノンの文字を壁に見つけた。