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Posted by 滋賀咲くブログ at

温暖化時計

2009年09月21日

「ピアノを弾いて。」

ぼくは、童謡の『蝶々』を弾いた。
原曲はドイツの雪遊びの歌だ。
再び、雪の降る冬が訪れる日が来ることを願って。

「姉は、ジュリアードにいたの。私は、MBA。環境経済、意外でしょう。」
ドアの外には、キャノンの落書き。
「私は、キャノンよ。」
いのちは、ドアの外に隠語で書かれた欲望に似ている。

「ノアの方舟に乗りなさい。」
手渡された地図には、ノバフタと書かれてあった。

「姉は、回光が見えるの。」
「エコー?」
「星が、あなたを『新しい町』に導いてくれるわ。」
「あなたも、行かないの?」
「コンクリートより、レンガや大理石が好き。」
そう言うと、彼女は、留学時代に覚えた古いアメリカの民謡『フレートトレン』を唄ってくれた。
2フィンガーのような、3フィンガーのギターで。
「原風景よ。」

そして、ぼくは占い師に「さようなら。」と言った。
ドアを閉め、壁に別れを告げて、ダムハウスを出た。
最初の光は、朝日だった。



Posted by グリーンワーク at 10:35 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年09月18日

「今度は、世界の政治家の番だ」 
2007.12 パン・ギムン / IPCCとアル・ゴアにノーベル平和賞

「自民党の支持者は、家庭や地方の絆を大切にする良質の保守層だ。」と、2009年8月の総選挙敗北後、谷垣総裁候補は演説した。

保守とは、既得権を守ることを意味する。
保守政党の支持者は、既得権を持った人たちだ。

省益を優先させる官僚任せの政治が続いていた。
与党政治家は、国民が何を求めているのか理解していなかった。
金と暴力で、支配できる時代があった。

アメリカの51番目の州として、派遣労働の解禁や、金融の自由化や、コーポレート・ガバナンス/会社法を改正する政治が続いた。
イラク戦争の時代、ブッシュ大統領も神を語った。
小泉総理大臣も、靖国参拝を続けた。

ブッシュ大統領が「米国経済に悪影響を及ぼす。」として、京都議定書を離脱した時、日本も追従した。
財界は、マイナス6%が足枷になることを嫌い、通産省と密約を交わしていた。
新政府は、密約調査チームを発足させた。

企業の社会的責任( CSR: Corporate Social Responsibility)を語る経団連は、民主党の温暖化中期目標は、「産業や国民生活に大きな影響がある。」として、「国民的議論を踏まえて、設定して欲しい。」と新政府に注文を出し、労組には、「25%削減なら、工場の海外移転で、雇用が失われる。」と通告した。

2009年5月の新聞広告に連名した全員のノアの方舟の乗船券はない。

「世界は、利己と傲慢に充ち溢れている。」
2009.8.9 ナガサキ パン・ギムン

サイキは、密約調査チームの一員だ。


Posted by グリーンワーク at 19:54 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年09月16日

「幸せになろうとした結果だから、誰も恨まないで下さい。」と、占い師は言った。

資本主義の黎明期の英国で、羊の過放牧から、入会地での囲い込みが起こり、資本家(ジェントルマン)を生み出した。

21世紀の米国で、天候や、自然や、環境までが、金融商品として、売り出されている。
経済は、誰のものでもない地球や、自然や、環境に、『所有の概念』をもたらしている。
環境経済学者が提案する『炭素市場』や、『炭素経済』は、エンロンの詐欺をグローバル化させるだけで、温暖化時代の勝ち組『ジェントルマン』を生み出すだけだ。

100年に一度の金融恐慌から一年。
ウォール街の金融資本は、「普通の金融商品しか売れなければ、米国の金融業界は衰退する。」と主張して、幾多のロービーストを使い、自己の計算による巨額ボーナスや配当を、『弱者救済か、自由主義堅持か。』の議論にすり替え、『ローンの焦げつき救済』や、『温暖化』などの法案を廃案に追い込もうとしている。

地球温暖化は、逆算の道のりだ。
IPCCのA1(高成長社会)シナリオでは、2040年に『世界の平均気温は2℃上昇し、世界の肺と呼ばれるアマゾンの乾燥化が始まる。』
2℃は、人間が適応できなくなる閾値だ。
2016年に、1.5℃上昇する。
自然が再生できなくなる閾値だ。
2013年に、本格的温暖化対策のポスト京都が始まる。

京都議定書以降の10年で、世界はA1シナリオ以上に悪化している。
地球は、ツンドラの氷解や、北極海の海氷の消滅や、海中の炭素濃度の飽和で、CO2を放出し出している。
人類に、『北極を氷らせる冷蔵庫』や、『大気中のCO2を除去する空気清浄機』を作る技術はない。
エネルギーの消費を抑え、CO2排出を減らすことしか、今はできない。
今出したCO2は30年後に温室効果ガスとなる。
過去に出した温室効果ガスで、1.5℃上昇は決まっている。

ノアの方舟は、世界の果てを目指すのだろうか。
壁を乗り越える度に、体験を繰り返して来た。
「ジェントルマン」と、ぼくが呟き、反響定位を試した。

「何もない気がする。」
「何も残らない気がする。」
エコーだ。

言争いの時代は終わった。


Posted by グリーンワーク at 19:38 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年09月14日

ありがとう、シジュウカラ。
ありがとう、いのち。

「回向。」と、紳士が囁いた。
生かされている、いのち。
「エコー?」と、ハルミが問いかけた。
「ペイフォワードかしら?幸せを先送りすることよ。」と、婦人が答えた。

「わたしたち、旅行をしている時、おかっぱの少女が笛を吹いていたの。その子は、鳥かごを持っていたわ。アマツバメが入っていたの。」と、紳士のガールフレンドが言った。
「ツバメなの?」と、ハルミが問いなおした。
「ツバメはカラスと同じ仲間だけど、アマツバメはカワセミの仲間なんだ。」と、ラッキーが答えた。
「洞窟に見立てたビルを作って、アマツバメを飼っているんだよ。」と、紳士が補足した。
「どうして?」と、ハルミが聞き返し、ガールフレンドと紳士が交互に答えた。
「アマツバメの巣は、海藻でできていて、中華料理の高級食材だからよ。」
「それで、アマツバメをビルで飼っているんだ。」
ハルミは、シジュウカラを思い出そうとしている。
「ビルの周囲は、餌になる蚊や、虫などが発生するように池にしてあるんだけど、困ったことに、マラリアが発生したんだ。そうですようね。」と、ラッキーが二人に聞くともなく言った。
飼育場は、立ち入り禁止区域になり、兵士が取り囲んだ。
「少女は、アマツバメを捕まえては、ビルの飼育業者に売っていたけれど、ビルでアマツバメを捕まえて観光客に売るようになったのよ。どちらも命がけで。」と、ガールフレンドは言葉をつまらせて言った。

アマツバメは、温暖化で、温帯地域でも飼育できるようになっていた。
「私たちは、黒い羽根の募金を始めたの。」と、婦人は言った。

「わたしたちは、同じ船に乗っていた。」

死者の話をする兵士がいるが、着剣した兵士は、宗教家ではない。
覚醒した蝶がいる。
サイキだ。
「精霊は、動物の姿をかりて、語りかけてくる。」と、シャーマンが言った。
エコーだ。

「わたし、マラリアの熱で、記憶をなくしているの。」と、ハルミは呟いた。
ハルミのエコーは、無くした記憶のカケラから、始まっていた。



Posted by グリーンワーク at 20:28 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年09月12日

「ノアの方舟」と、ぼくは呟いた。

民主党政権樹立を受けて、新日鉄三村会長は、新政府の『90年比25%削減』について、
「国民生活への影響を是非議論してもらいたい。」と家庭への負担を担保にしたうえで、
またも、「地球温暖化は、環境対策ではなく、経済対策だ。」と、地球環境問題を経済問題に、すり替えている。
経済は、自然や環境に『所有の概念』を持ち込むだけで、京都議定書後の10年を経済利害対立で終わらせてしまっている。
最後に、「日本から逃げ出す産業も出てくるかもしれない。」と、本音とも、恫喝ともつかないコメントで締めくくった。

2013年に(本格的温室効果ガス削減の枠組み)ポスト京都が発効する。
資本の海外流失で、2012年に、日本は財政破綻すると予測されている。
すでに、IMFは、日本再建のための『ネバダレポート』を用意している。

日本のCO2排出の過半数は、上位200事業所で占められている。
中でも、1位が発電(100事業所)の28%、2位が鉄鋼(27工場)で12%だ。
家庭が上位200事業所のつけを、持たされている限り、地球温暖化は解決に向かわない。

経団連御手洗会長は、日本は技術で貢献するというが、その技術をすぐに日本の工場に適応すれば、(温室効果ガス排出規制の低い)海外に逃げ出す必要はないはずだ。

同年、フランスのサルコジ大統領は、石炭や石油など化石燃料使用1tについて、2,300円の炭素税を導入すると発表した。

経団連は、2013年を前に、どこへ船出するのだろうか?

「ノアの方舟を燃やしなさい。」と、占い師は言った。

『コモンズの悲劇』と、彼女は囁いた。




Posted by グリーンワーク at 16:18 Comments( 0 )