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Posted by 滋賀咲くブログ at

温暖化時計

2009年12月19日

COP15が開催されているコペンハーゲンで、2つの環境団体が会場付近をデモ行進し、250人が拘束された。
「デモ隊の逮捕容疑が明確でなくても、予備的に逮捕する。」と、デンマーク当局は発表した。

「悪人にも人生がある。」と、サイキは呟いた。
学生運動のシュプレヒコールがサイキの脳裏に蘇った。
「人生は自分一人では作れない。」と、ゴン・アリューが応えた。
「それで、何人が暮らすと、社会が出来るの?」と、ボーイフレンドジーンズの女子が問い返した。

「温暖化時代のジャンヌ・ダアルクを探しているの。」と、彼女は言った。
「天使のような歌声が欲しい。」とも言った。
「地上に降りた天使なら、深夜ラジオから流れている。」と、サイキ。
「子供騙しは嫌。」
「ハイブロー?」と、自然保護の雑誌にかかわっているゴン・アリューが言った。
彼女は、首を振った。

藤晴美は、上司だった元通産官僚と、逃亡先のシンガポールで合流し、東南アジアを旅していた。
旅の途中で、アマツバメと話す少女と出会った。
少女は、メロンのように頭を柔らかくして、エコーロケーションを働かせることが出来る。
音には様々な周波数が含まれるが、人間の耳は繊毛に限界があり、フィルターをかけてしまう。
エコーキャンセラーだ。
二人は、少女の力を借りて、中国人が好きなアマツバメの養殖ビジネスを始めた。
しかし、マラリアの流行で、養殖は頓挫した。

アマツバメが巣穴に帰る頃、少女は、慣れない靴を脱いで、砂浜で眠っていた。
靴は、晴美が少女に買い与えた物だった。
マラリアの影響で、彼らは移動が制限されていた。
二人は少女を残して、再び、逃亡した。
少女は、染色障害で、国外に連れ出せなかった。
二人は、アマツバメの養殖から、音がエネルギーになることを発見していた。

ロシア極東の閉鎖都市まで、二人の音の風景を巡る旅は始まった。
旅の途中で、晴美は、東京に戻り、若き日のサイキとゴン・アリュウーに出会った。
後に、温暖化の密約解明チームのメンバーとなるサイキは優秀なリサーチャーだった。
そして、ゴン・アリューは、壁を越えてツンドラでレナ馬の調査をしていた。



Posted by グリーンワーク at 23:13 Comments( 0 )