この広告は365日以上更新がないブログに表示されます。

Posted by 滋賀咲くブログ at

温暖化時計

2009年12月21日

1997年、京都議定書で、日本は2008年~2012年のCO2排出をマイナス6%にすると約束した。

日本が約束したマイナス6%の内、3.8%は森林を吸収源としてカウントされている。
だから、実質2.2%の削減が必要とされた。

有機物はすべて炭素の化合物だ。
たとえば、杉は年間6.55KgのCO2を吸収すると言われている。
しかし、木は成長すると、(呼吸することでCO2を排出し、)プラマイ0になる。
木を伐採した時点で、排出とカウントされる。
したがって、新たに植林した分だけCO2削減とみなされるが、日本はマイナス6%を受け入れる条件に、成長した森林での吸収も含めて、3.8%削減分をごり押した。
このことを、当時の政府は説明していない。

当時の通産省と経団連の間で、「産業に規制を押し付けない。」とする密約が交わされた。
そして、産業界は自主規制を認められ、残り2.2%を国内全体の排出で2割程度の家庭に押し付け、自民党政権は『ことさら家庭での省エネ』を強調した。
温暖化防止活動推進員も、エコ製品のセールスマンだった。
3.8%は、温室効果ガスとなってしまう。

今、経団連は民主政権がマイナス25%を法律で義務付けるのは「統制経済だ。」と主張し、工場をソーラー発電にする代わりに、家庭にソーラーを売りつけるすり替えを主張して譲らない。
彼らは、ずる賢い。
生き残りのイス取りゲームは始まっている。
危険だ。

2013年のポスト京都開始後、混乱と暴力がはびこった時代が3年続き、1.5℃上昇する2016年の足跡が聞こえている。

すでに過去100年で、滋賀県の平均気温は1.19℃上昇し、桜の開花は4.2日早まり、カエデの紅葉は15.6日遅くなっている。
夏が長く、冬が短い、温暖化だ。
近畿全体の平均気温は、もう1.74℃も上昇している。
世界の平均気温が1.5℃上昇すると、自然は再生できなくなる閾値を超える。
1℃の上昇は、南へ150km移動したことになる。

京都議定書締結後の10年間で、EUのように、日本もエネルギーを再生可能エネルギーに転換し、産業構造や、社会基盤を、温暖化対応タイプに誘導するべきだった。

今日出したCO2は、30年後には温室効果ガスになり、200年以上天空に残る。
空は天と地の間、空しい場所のはずだった。
シャーマンが見ていた宙には、温室効果で、地球照の輝きを増した月が浮かんでいる。
回光だ。
非残党は、命をつなぐ新しい村を作った。
村人は深い森に精霊が棲んでいると考えているが、町人は精霊が隠している金貨を見つけると一生幸せに暮らせる想像している。
「何もない気がする。」
「何も残らない気がする。」
エコーだ。
占い師は、ノアの箱舟でなく、「頭を燃やせ。」と言った。
回向だ。



Posted by グリーンワーク at 18:52 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年12月19日

COP15が開催されているコペンハーゲンで、2つの環境団体が会場付近をデモ行進し、250人が拘束された。
「デモ隊の逮捕容疑が明確でなくても、予備的に逮捕する。」と、デンマーク当局は発表した。

「悪人にも人生がある。」と、サイキは呟いた。
学生運動のシュプレヒコールがサイキの脳裏に蘇った。
「人生は自分一人では作れない。」と、ゴン・アリューが応えた。
「それで、何人が暮らすと、社会が出来るの?」と、ボーイフレンドジーンズの女子が問い返した。

「温暖化時代のジャンヌ・ダアルクを探しているの。」と、彼女は言った。
「天使のような歌声が欲しい。」とも言った。
「地上に降りた天使なら、深夜ラジオから流れている。」と、サイキ。
「子供騙しは嫌。」
「ハイブロー?」と、自然保護の雑誌にかかわっているゴン・アリューが言った。
彼女は、首を振った。

藤晴美は、上司だった元通産官僚と、逃亡先のシンガポールで合流し、東南アジアを旅していた。
旅の途中で、アマツバメと話す少女と出会った。
少女は、メロンのように頭を柔らかくして、エコーロケーションを働かせることが出来る。
音には様々な周波数が含まれるが、人間の耳は繊毛に限界があり、フィルターをかけてしまう。
エコーキャンセラーだ。
二人は、少女の力を借りて、中国人が好きなアマツバメの養殖ビジネスを始めた。
しかし、マラリアの流行で、養殖は頓挫した。

アマツバメが巣穴に帰る頃、少女は、慣れない靴を脱いで、砂浜で眠っていた。
靴は、晴美が少女に買い与えた物だった。
マラリアの影響で、彼らは移動が制限されていた。
二人は少女を残して、再び、逃亡した。
少女は、染色障害で、国外に連れ出せなかった。
二人は、アマツバメの養殖から、音がエネルギーになることを発見していた。

ロシア極東の閉鎖都市まで、二人の音の風景を巡る旅は始まった。
旅の途中で、晴美は、東京に戻り、若き日のサイキとゴン・アリュウーに出会った。
後に、温暖化の密約解明チームのメンバーとなるサイキは優秀なリサーチャーだった。
そして、ゴン・アリューは、壁を越えてツンドラでレナ馬の調査をしていた。



Posted by グリーンワーク at 23:13 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年12月17日

「日本は単独でも25%削減の約束を守るべきだ。」パン・ギムン。
ついに、経団連や基幹労連が恐れていた一言が国連事務総長から世界に発せられた。

3年前、スターンレビユー(気候変動の経済)は、「温暖化は世界大戦級の損害を与え、GDPの20%を損失する。」と警告した。

IPCCは、「世界の平均気温の上昇を2℃以内に抑えないと取り返しがつかない。」と警告し、「2020年までに25%~40%の温室効果ガス削減が必要。」と主張している。
2℃を超えると人間がバタバタと死んで逝く。

世界の平均気温が1.5℃上昇すると、ティッピングポイントを迎え、人間が何%生き残れるかの状況になる。

環境省は、海面上昇で、「日本は最悪90%の砂浜面積を消失する。」と予測している。
その時、沿岸部の都市は水没する。

工場の海外移転で曳航されたノアの箱舟は、2012年に日本がIMFの管理下に置かれて以降、回航されなかった。
新しい町ノバフタへのゲートは閉鎖されたままだ。

死は、日常の中にある。
自然に死にたい。
ぼくが、兵士になってから、常に頭の中にある思いだ。

2000年代初頭、海水が酸性化しても、自然の警告に、誰も見向きもしなかった。
経済は、自然や地球に、所有の概念を持ち込み、大量生産・大量消費、都市の浪費は止まなかった。

太平洋戦争で、310万人の日本人が死に、それ以上のアジアの人たちが犠牲になった。
戦争は敗戦で終わる。
しかし、温暖化は200年以上続く。




Posted by グリーンワーク at 21:51 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年12月13日

オーストラリアの南南西沖を川崎市の面積に匹敵する氷山が北上している。
温暖化で、崩落した南極のロス棚氷だ。

人間活動起源のCO2排出は、1970年代頃から、急速に増加を始めた。
排出されたCO2は、30年後に、温室効果ガスとなる。
農業環境技術センターは、2000年頃から、米の白濁化など、温暖化被害が顕著になっていることを公表している。

産業革命以前より世界の平均気温が1.5℃上昇すると、自然が再生出来なくなる閾値だ。
1.5℃上昇は、過去に排出したCO2で確定的だ。
温度上昇は高緯度程大きいため、1.5℃上昇で、グリーンランドは2.7℃上昇すると予測されている。
2.7℃上昇は、グリーンランドの棚氷を消失させる。
海面上昇などティッピングポイントの引金となる。
最短の予測が、2016年だ。

2006年、英国のスターン卿は、ブレア首相の委託で、スターンレビユーを公表した。
温暖化は、世界大戦級の被害をもたらし、GDPの20%が失われると警告し、今すぐ対策をすればGDPの1%で済むと発表した。
「これからの10年が未来を左右する。」と締めくくった。
それから、すでに3年が過ぎた。
未だに、温暖化の解決ではなく、経済問題がCOP15で繰り返されている。

悲しい嘘が、COP15に流れた。
温暖化のデータを英国の科学者が改ざんしたとニュースされ、IPCCが否定した。
ブッシュ大統領はおかかえ学者を使って、温暖化の懐疑論を展開し、ノーベル賞のゴアが映画『不都合な真実』で、懐疑論にNOを突きつけた。
日本では無名だったアラスカ大学の赤祖父教授など、懐疑論の亡霊が今も世界を闊歩している。

5月革命直前に、大学を去った藤晴美は、電気事業連合会のスポークスマンとなって、CO2を出さない原子力発電推進の意見広告塔なっている。
安全安心の原発推進がストップしたのは、データ改ざんや、事故隠し、更に東海臨界事故が隠しようのない不信を招いたためだった。
しかも耐用年数の過ぎた原子力発電所の解体ができないことが問題になっている。
更にウラン238の半減期は45億年で、コンクリート詰めで埋設しても人間が管理しきれない。

海洋学者の教授は、大学の同輩だった晴美の行動を気遣いながら、シャチを追って流氷の海に船出していた。
キム・スニの村に上陸した教授は、閉鎖都市を目前に拘束された。
そこで、背後にソビエる巨大な壁が、都市のエネルギー源になっていることに気付いた。
壁には昇竜伝説があり、人々が近付くと消えてしまう。
教授は、昇竜は壁に棲むコウモリの大群であることを知っていた。
コウモリが出す超音波にシャチが呼び寄せられていると仮説を立てていた。
エコーだ。

かつて、パーク・レンジャーだったゴン・アリューも、壁に向かって北上する赤狗(ドール)の群れが、高周波に惹きつけられていることに気付いていた。
犬笛だ。

村には、旅人を迎え、翌年、村の娘が出産すると、案山子を生贄にする風習の伝承があった。


Posted by グリーンワーク at 21:10 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年12月12日

キム・スニへ
もはやハルミでない君をハルミと呼び続けることは、ぼくの弱さ故だ。

「主よ、わたしを平和の道具とさせてください。」と、マリーアはホワイトボードに書かれたアヴェ・マリアの前で祈った。
永久に栄えるものはない。
必ず滅びる。
何を選択するかだ。

12月7日、デンマークで、ポスト京都を決めるCOP15が開催された。
12月7日、経団連と基幹労連は、『2005年比で、温室効果ガス4%増加』と主張した5月21日以来の温暖化に対する意見広告を、日経新聞などに『家庭が負担できるのは月1000円が限界』と掲載した。

しかし、産業界の指導者たちは、ぼくたちを一度も奮い立たせることはなかった。
生き残りのための椅子取りゲームに過ぎないからだ。
かつて、自民党政権下では、ことさら、家庭の負担が強調されて来た。
今さら、グリーン経済を引き合いに出さなくても、その経済活動が温暖化対策に歯止めをかけている限り、温暖化は必ず経済をリセットする。
産業界が、温暖化への負担を家庭に転嫁しても、無駄だ。
家庭は、人間の盾ではない。

    憎しみのあるところに愛を
    罪のあるところに赦しを
    争いのあるところに一致を
    誤りのあるところに真理を
    疑いのあるところに信仰を
    絶望のあるところに希望を
    闇のあるところに光を
    悲しみのあるところには喜びを

キム・スニの村は焼かれ、 マリーアはアッシジに祈った。
非残党たちは、新しい村に人間の鎖を結んだ。
すべてを守ることは可能だ。



Posted by グリーンワーク at 19:27 Comments( 0 )