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Posted by 滋賀咲くブログ at

花はどこへいった

2011年01月23日

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「おじちゃんは、わたしとママのパパになってくれるんでしょう?」

ルーシーは、懸命にプライドを守ろうとしていた。
その繊細で、無邪気な顔に塗りたくったメークは、まるで仮面だった。
誰も気付かないけれど、仮面の下は15歳で止まっている。

「私たちは、パートナーよ。」
ダイヤの指輪を贈った。

「パパになってくれたら、悲しんでばかりいたわたしとママを笑わせてくれるのでしょう?」
その距離、およそ5m。
安重根は居場所を探していた。

「東方を征服せよ。」
鳥の聞きなしだった。
満開の桜と、白鳥が同居している。
春なのに、西高東低の冬型が来ることを、白鳥は知っていた。
田舎暮らしを続けてきたルーシーは17歳で転機を迎えた。

「ぼくの背中にも羽が生えるぞ。」
空耳が聞こえて来た。




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花はどこへいった

2011年01月23日

23
ダム湖のカテドラルに、PⅡは一ヶ月しかいなかった。
世の中とまっとうに向き合い、破滅の引き鉄が弾かれたから。
そばに寄り添っていてほしかった。

季節の花が思い出せない。
沈黙の春だった。
『あの男は気に食わない。』の一言で、試練に立たされていく。

あるはずがない処に、大聖堂はあった。
思想が道標となった。

月灯りが露地を燈した。
どこの街角でも、コーラスが唄っている。
電気を使わない音楽会。
音楽はすべてライブだから、演奏が終わると月夜に消えて行く。

「ひょっとして、彼女は音楽の勉強をしているのではないだろうか?」
飲んで、食べて、陽気に恋する人たちがいた。

春告げ鳥。
彼女は、ダム湖に浮かぶ小舟に立っていた。



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