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Posted by 滋賀咲くブログ at

村上先生と吉川湖岸緑地を歩こう

2009年07月13日

6月11日、県自然環境アドバイザーの村上宣雄先生と湖岸緑地中主吉川地区を歩きました。

目的は、同緑地の視察と移植育成してるオカトラノオの今後についてです。

あわせて、指定管理者から緑地の草刈を請け負っている造園関係の研究会の関係者からいただい質問についてもこたえます。

1.吉川湖岸緑地について
① 野洲川北流の跡地として、廃川後30年以上手つかずで放置されてきましたが、
  上流から流されて来たシードバンクとして、タイムカプセルの役割を果たしてい
  ます。
  上流の環境が変わり、姿を消した生き物を再発見できる貴重な場所です。
② 一方、同緑地は、口コミで、「国有地で動植物を採取できる場所」という風評が
  広く京都あたりまで伝播されています。
③ また、同緑地の都市公園化工事は、近年、経済効果でしょうか、
  団地造成のように、短期突貫工事が行われ、造成後、造園木や、園芸植物の
  植栽が盛んです。
④ 以上がビオトープとしての生態系多様性の破壊や、希少種の盗掘に
  つながっていると考えられます。
⑤ 「ふるさとの自然」をテーマにしたビートープ(生き物が棲む場所)として、
  経済優先を見直し、利用者や業者とのマナーやルール作りが必要な時期に
  きています。

⑥ 造成工事後、更地となった緑地に残され、根を断ち切られたモチの木と、
  もんどり(漁の罠)にかかり窒息し土手に打ち捨てられたイシガメの写真を
  添付します。

2.オカトラノオの育成について
(1)草刈をされたかたから、質問をいただきました。
① 貴重な植物があるのか?
 ・ オカトラノオは、珍しい植物ではありません。
 ・ グリーンワークスは、都市公園化工事の造成で、消滅する植物の移植・育成を
  県や、指定管理者の許可を得て行っています。
 ・ オカトラノオは同緑地に3群落ありましたが、造成工事で群落が消滅し、
   中主に自生していた同種の遺伝子を残すために残存個体を移植・育成
   しています。
 ・ 園芸関係の研究会が予定されている重機を使った掘削を実施されると、
   中主からオカトラノオは消滅します。
② 造園業者として、生活がかかっているから、環境問題にかかわっていられない。
 ・ 胸を押しつぶされる思いでお話を伺いました。
 ・ 今回の草刈について、環境問題を主張していません。
 ・ 県の許可を得た育成エリアを残すことに協力をお願いしているだけです。
(2)村上先生の見解
   園芸関係の研究会が予定されている重機を使った掘削を中止すれば、
   中主のオカトラノオを残すことができる。

グリーンワーカクスは、環境省環境カウンセラーや、滋賀県地球温暖化防止活動
推進員が中心になって、2016年(1.5℃上昇が予測)をターゲットに自然が再生出来
なくなる過程の観察(温暖化時計)を続けていますが、合わせて、県の許可を得て造成工事で破壊された工事現場から、植物の移植や、希少種のパトロールを続けています。



Posted by グリーンワーク at 19:20 Comments( 0 )