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Posted by 滋賀咲くブログ at

温暖化時計

2009年07月26日

工場で働くマリーア。

マリーアは、日系ブラジル移民の4世だ。
小学生の時に、両親と日本にやって来た。
成長して、十代の彼女も日系労働者となった。

彼女の祖々母は、昭和恐慌の時代に、ブラジルに単身移民した。
3ヵ月の船旅だった。
彼女の実家には、セピア色の写真が一枚残されている。
当時としては、ハイカラな洋装の少女の写真だ。
破産した家計を助けるために、彼女の兄は、家出同然で大阪で働いていた。
その兄が写真館で撮影させた写真だ。

渡伯する絹江を見送ったのも、この兄一人だった。
恐慌で経済破綻した農村から、無一文の少女が長い船旅に出た。
「お兄ちゃん、さようなら、(日本)」
洋装をまとった少女が軽やかに世界へ旅立った。

「ボンジーア」
マリーアはキャノンで派遣社員として働いている。



Posted by グリーンワーク at 01:34 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年07月24日

空がとても低い。

鉛色の空が、口笛を吹いて、風がちぎれていった。
ベッドの中で、寒さとも、怯えともつかない震えを感じたのは、そのせいだろうか?
チジンでいる身体を引っ張り出すために、マジック・サムのレコードをかけた。

それから、いつもより多めに服を着た。
ゆっくりと歯を磨き、冷たい水で顔を洗うと、コロコロと涙まで、出てきた。
いつも、きっとやるように真っ赤なポットを電熱器の上にかけた。
コーヒーが大好きで、これが一日の始まりを意味した。

コーヒーが沸く音を聞きながら、マジック・サムのギターのリフを一緒に口ずさんで、うずうずした気持でいた。
とりあえず、ダンスだ。

身体ってやつは、どうしても、感性のスピードから遅れてしまう。
小細工のない生のエレキの音が好きだ。
今、吟遊詩人がどこにいるかは、知らないが、解き放たれたものたちが持つ優しさと、奇才と、そして、不思議な霊たち。

人々は、長い旅の果てに、どんな言葉でも飾れないものを見つける。


Posted by グリーンワーク at 13:42 Comments( 0 )

吉川湖岸緑地保全会議

2009年07月23日

村上先生
お世話になります。
忠告いただいた草刈の委託業者から、緑地でビオトープとして刈り残している部分の草刈を私にするように要望がありました。
指定管理者と相談します。

自然保護協会様
オカトラノオの群落再生でアドバイスをお願いしている緑地で、草刈の委託業者から、「環境問題」を主張するなと要望を受けました。
環境問題を主張していませんが、オカトラノオの群落復活には、こうした偏見を取り除かなければないりません。


1.件名の保全会議について
(1) 築山は出席させていただきます。
(2) わたしの主宰するグループのメンバーも出席してもよろしいでしょうか?
(3) 件名の吉川湖岸緑地の状況について
① 今年になって、(主にタケノコを中心に)急速に「吉川湖岸緑地は国有地で自由に動植物の採取ができる」との風評が広範囲に広まっているのは、イベントやラジオなどのメディアを通して『受け手が誤解する』情報発信がされてはいないでしょうか?

② 盗掘者について
❶ 添付写真のように堀跡を巧妙にカモフラージュしています。
❷ (頻繁にくるのは)地元の方ではないでしょうか?
❸ 私がパトロールしている様子を窺って行動しているようです。
❹ サポータの名札をつけて挨拶の声掛けをしていることで、抑止につなっがっているように思います。

2. 緑地の草刈について
(1) 草刈の委託業者の関係者から、以下の要望を受けました。
① 誤解があるので、整理します。
❶ 希少種の盗掘問題と、草刈での私が移植している植物の保全とは別件です。
❷ 私が植物を移植している場所は、2か所あります。
  委託業者の草刈で刈り取られたのビオトープ土手のオカトラノオです。

② 「ヤブミョウガ」の移植地について
❶ 「私に周辺全体を草刈するように」との要望を委託業者の
   関係者から受けました。
  理由は、刈り残しは、委託業者が手をぬいているように思われる。
  移植指定地の草刈は完了していますが、
  指定範囲を超えての草刈は指定管理者と相談させてください。
❷ 移植地の草刈が「トラ刈り」になっている。
   ヤブミョウガ、ミョウガ、ホウチャクソウ、ウバユリなどを刈り残しています。
   外部から見えないように外周部を刈り残してカモフラージュしています。

③ 私が(指定管理者をとばして)県と直接話をするのをやめてほしい。
❶ 基本的には、指定管理者をとおして話をしています。
❷ 希少種については、県に登録しているので、
   県に盗掘があったことを通報しています。
  希少種については、29日に関係者で会合します。

(2) ビオトープ土手の残りの竹疎林の草刈
① オカトラノオの移植地は完了しました。
② 他の疎林も、私が行う予定です。 
   委託業者の関係者から、業者が「手を抜いている」と
   誤解されると指摘されました。
   刈り残し部分は、ビオトープ(生き物の棲む場所)として
   保全されています。
   委託業者の責任感で、刈り取られては困りますし、
   話し合いで、私も利用者の義務として
   他の疎林周辺も刈ります。

(3) 委託業者の関係者から、指定管理者に、この件で、
   相談する必要はないといわれましたが、29日に相談します。
   利用者の義務として協力することには異存ありません。



Posted by グリーンワーク at 21:56 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年07月22日

遠くで聞こえる音が好きだ。

それが、どんなにわずかな音であったとしても。

ドシャブリの雨の中で、口笛を聞いた。
フルビタ森の中に、誰かがいる。
サビタ扉の奥で、煙と消えた無線音。
最後のセッションだった。

「返事はうまくできない。」と、彼はつぶやいた。
『少しもきれいじゃないけど』と、木霊が続いていた。
女神との約束を錆びつかせる前に、ぬかるみの轍を追いかけなければならなかった。
彼は、「あこがれの場所まで」、車を走らせるつもりだった。
「結構、うまくやっている。」
悪魔を唆すのは簡単だ。

口笛に似た鳴き声を聞いた夜、誰かが彼を監視していた。
精霊が棲む森に、サイキは迷い込んでいた。


Posted by グリーンワーク at 03:30 Comments( 0 )

温暖化時計

2009年07月21日

この物語の始まる初冬の朝、町は大型冷蔵庫の中にあった。
冬は、突然、背後にそびえる巨大な壁からやって来た。

吐く息が白く、空気そのものは透明で、緊張しているのがわかる。
寒さのために、夢から覚めてみると、冬は澄んだ声でよく笑い、ありふれた日常はユウウツに黙りこくっていた。
夢の記憶は、つかの間に消えて、消し忘れのスタンドの溜息を聞いていた。

目覚まし時計の臆病な秒針がヒクヒクと動いている。
ストーブ代わりの電熱器の上に、時が積もっては、身を焦がしていく。
失われた時間は、幽霊のように彷徨い、鳥肌を残す愛撫をしていった。

夢を見続ける気力も失せて、まるで毎日がフワフワと通り過ぎようとしている。
一番近いものは、いのち、夢、目覚め、喜び、悲しみ、渇き、希望、涙、苦悩、欲望、傷み、願い・・・・・・・・・、
のどれでもない。
通俗的な解釈に陥りがちな日常は、謎を掛け合うばかりで、その中で生活を選ぶことは、痛々しくて、人間的な不信がずっと付きまとう。

いのちは、ドアの外に隠語で書かれた欲望に似ている。


Posted by グリーンワーク at 05:41 Comments( 0 )